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冬の花の代名詞ともいえるサザンカ(山茶花)。暖かい地方では自生もしていますが、昔から生垣や庭木としても親しまれてきました。今では品種も増え、10〜12月の開花時期になると、一重だけでなく八重の花つきやさまざまな色を楽しむことができます。そんな昔から日本で愛されるサザンカの育て方をご紹介します。
結論、サザンカを庭に植えてはいけないことはありません。
サザンカを庭に植えてはいけないと噂される理由の一つに、椿と似ていることが考えられます。椿は見頃が終わると花が丸ごと落ちるという特徴があります。これが人の首が落ちる様を連想させるとして、縁起が悪いと言われることがあるのです。
一方、サザンカは花びらが1枚ずつ散るため、縁起が悪いということはありませんので安心してください。
サザンカは耐暑性が強く、耐寒性は普通なので、比較的温暖な地域での育成に適しています。そのため、サザンカは日当たりの良い場所で育ててあげましょう。
日陰でも育てることはできますが、花付きは悪くなってしまいます。また、霜や凍結には弱いので、サザンカを寒い地域で育てる場合は、鉢植えにして、冬は室内へ取り込むなどの寒さ対策を行ってください。
サザンカを育てるときは、水はけがよく、弱酸性で有機質の多い土を用いましょう。赤玉土、鹿沼土、腐葉土かバーク堆肥などを混ぜた土を使うといいでしょう。
サザンカを地植えする際の土が粘土質だった場合は、腐葉土を混ぜてあげてください。
サザンカの植え付けは、春か秋の気候が穏やかな時期が適しています。3~5月頃もしくは9~10頃に行いましょう。
サザンカを鉢植えにする場合は、苗よりも2回りくらい大き目の鉢を選び、水はけのよい土を準備。鉢の底に有機肥料を入れ、植え付けてください。
地植えの場合は、風通しと日当たりの良い場所を選び、植えましょう。サザンカは弱酸性の土を好むのですが、コンクリートがあると、その影響で土がアルカリ性になってしまいます。コンクリートの近くは避けるか、有機物を多く含んだ土を使ってあげてください。
サザンカを鉢植えする場合は、土の表面が乾いてきたら、たっぷりの水を与えてください。特に春の新芽が出るころや、花を咲かせる時期にはたくさんの水が必要です。乾燥させてしまうと、つぼみが落ちてしまうこともあるので注意しましょう。
サザンカを地植えする場合は、植え付けてから2年くらいは、定期的に水をあげてください。しっかりと根付いたあとは、猛暑などが続いて乾燥している場合をのぞいて、特に水をあげる必要はありません。
サザンカは肥料が足りなくなると、下の方の葉っぱが枯れてきたり、枝もよく育たず、花芽が少なくなったりします。
元肥として、植え付けの際に水はけのよい土に有機肥料を混ぜてあげましょう。その後は、追肥として2月と9月にリンサン分の多い固形肥料を与えてください。
サザンカは根詰まりすると、花の付きが悪くなってしまいます。鉢植えのサザンカは、2〜3年を目安に、大き目の鉢へ植え替えをしてあげましょう。植え替え時期は、植え付けと同じく、春か秋が適期です。
サザンカの挿し木は、春に伸びた新しい枝を10~20cmほどの長さで、6月下旬~8月頃に切ります。
切り取った枝の切り口を1時間以上水に漬けて水あげし、その後、湿った土に挿してあげてください。挿し木後は、明るい日陰に置いて、土を乾燥させないように注意しましょう。
サザンカは、必ず剪定をしなくてはいけないというわけではありませんが、新しい花は伸びた枝の先につくので、コンパクトにまとめたい場合は、剪定を行いましょう。詳しい剪定方法は、次の記事を参考にしてください。
春頃にチャドクガという毛虫が発生することがあります。チャドクガの駆除は、卵のときにするのが一番です。葉の裏に黄色い卵を見つけた場合は、葉っぱごと切り取ってください。
チャドクガの毛に触れると、皮膚がかぶれるので、素手では決して触らないようにしてください。孵化したあとは、専用の殺虫剤で駆除しましょう。
風通しの悪い所で育てているサザンカは、カイガラムシが発生することがあります。カイガラムシは樹木の育成を妨げるだけでなく、スス病の原因となることもあるため、見つけ次第駆除しましょう。
カイガラムシは幼虫の時は殺虫剤なども効果的ですが、成虫になると体がロウ質に覆われるため、薬があまり効きませんので地道に取り除いてください。
サザンカを種から育てる場合は、花が咲くまでに約5年以上かかるといわれていますが、不可能ではないでしょう。種はあまり流通していませんが、10月以降の秋に花から採取できます。種まき時期は、採取してすぐか、3月頃が適期です。
サザンカの種は乾燥してしまうと発芽しません。そのため、3月に種まきをする場合には、それまで種が乾燥しないように、水苔に包んでビニール袋に入れて、冷蔵庫などの冷暗所で保存してください。
種の植え付けは1つずつ行い、軒下や日陰となる室内に置いて、土を乾燥させないように注意してください。1ヶ月ほどで発芽します。ただし、花が咲くまではかなりの年月がかかります。
初冬の季節に鮮やかな花を咲かせてくれるサザンカは、一度植えたら、時々肥料を与えたり、水をあげたりするくらいでよいのであまり手もかからず、初心者にもおすすめの花です。剪定で好きな大きさや形にできるので、冬を彩るアクセントとして育ててみてはいかがでしょうか?
GreenSnap編集部